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私の恋する世界達 [共に暮らす家族]

リヴ側モブっ子のプロフです。
(人格等は淫魔側の方が詳しいので、こちら是非






【リヴリー】

『ファビアン』 〔Fabian〕 ムシチョウ
備考:自分を正しく導いてくれた、という理由からメルヒオルに憧れと敬愛の念を抱く青年、子供達の長兄として扱われる事が多く、最近では完全に自分で兄の自覚を持ち始めたのか、度々暴走する家族に貴重なツッコミを惜しげもなく使用する立場。
過去、飼い主の影響もあって厨二病の化身だった。当初設定された人格のベースはスーパー攻め様(解らない人はググってくれ)で、数多くの受けをヒィヒィ泣かせ、遂には身の程知らずに「超凄い」と噂のメルヒオルに挑むも悲しみの結末に終わり(同時に飼い主から引き離される)、自分がいかに恥知らずなヤツだったのかを教育された後、落ち着いて現在の性格になる。
名前は元の名前が存在するだけで恥を撒き散らす有り様だったので、後から改名した物を名乗っており、昔使っていた名前は本人が全力を持って削除した。
†漆黒の堕天使†(笑)

『アルバトロス』[Albatross] ビズー
備考:人間に化ける事がとても得意な普通のリヴリーだったもの。孤児院の管理者として能力を与えられて以来、長らく人間社会に溶け込み、言われるまで自分が人間では無い事を忘れていたらしい。
アイランド(無印)時代、飼い主が飼う大量のサブリヴの一匹として生きてきたが、基本的にマイペース&淫乱な性格が災いして飼い主に気に入られることがなく、本人もセックス以外は特に他の誰かと特別関わって暮らすこともなかった。
飼い主が受験勉強を迎えて、世話が出来ないという理由から他のサブ達と共に引き渡し所に引き渡され、無抵抗に震える同族が次々とモンスターの餌になるのを後目に、持ち前の生き汚さで脱出に成功する。
人間をやっている時は『山田太郎』と名乗ってコンビニのバイトをしつつ暮らす。基本的に家族や仲間のこと以外は無頓着なので、たった一人で放置すると料理もせずに食材を丸齧りにし、左右別々の靴下を履く。

『エンジェル』[Angel] リヴリー
備考:人間やリヴリーはおろか、見えない物が見えると評判のユキワラベにすら見えない「何か」と常に戯れ、端から見るとイッちゃっている少年。両手を前に突き出して歩くゾンビ歩き、意味も無くそのままジャンプもする。
飼い主に届けられたら次の瞬間引き渡し所送り(GLL限定種欲しさ)にされていたらしく、監視をしていた管理者を性的な意味で倒し、その後も契ってはハメ嬲っては犯しを繰り返して脱出。
AV男優顔負けのテクを持つが、彼はそんな目的で創られていない上、人格は引き渡し所送りになった時点でこうだったらしい。精製段階で何かあった可能性が高いが詳しい事は不明。
裏から侵入、トランシロンを無断借用してアクセサリー感覚で自分の姿をホイホイ変える、決まった種類は無い。

『ヨアヒム・フェルディナンド』[Joachim・Ferdinand] クロメ
備考:大金持ちの家で飼われていたリヴリーで、飼い主は彼にベタベタに甘く我侭放題に育ちながら、次第にペットに向ってへーこらする周りの人間共のことをあまりにも大マヌケと思い始め、軽蔑の感情を感じた為、家出をした。
以来の経歴は不鮮明、最終経歴で現実世界の一角に現実世界との出入り口を所持する人間狩りを好むモンスターの「女」帝として君臨していた辺り、大冒険の連続を経験したらしい。酔った勢いでナンパしたのがイェニーで、そのまま転移をミスって眠っていたおじさんの腹の上に突っ込んだのが縁。
勝手気ままを愛している、基本的には大逸れた考え等は持っておらず小市民で将来的には結婚したり子供を作ったりする気らしい、好みのタイプは結婚後も自分の事を名前で呼ぶタイプの子。
実は年齢不詳レベルで長生きしているとかで、時折狡猾を通り越して老獪な「いやらし~い」面を見せることも。

『ノットゥルノ』[Notturno] ピクミー
備考:MP(そんなものない)が吸い取られそうな踊りを踊るちびっこ、友達とのお医者さんごっこでハマって以来、全身に包帯をまきまきして遊ぶ所為で時々ピグミークローンに見間違われるが、一応はピグミー。
特注製のリヴリー、何が特注かというと既存の人間の記憶を植え付けられ、外見もまたその子供と瓜二つに創られたから。飼い主は死んだ実の子供が忘れられず、財を叩いて代わりを作った、それが彼の誕生。
精神は人間、記憶も人間、最初はよかった、飼い主に新しい子供が出来るまでは。だんだん飼い主は用済みの彼に構う事が無くなり、人間の記憶を持った気味悪い物として見るようなり、遂には見向きもしなくなった結果、餓死寸前まで追い詰められていた所を救われる。
名実共にただの2歳児なので、意味不明な2歳児的行動を取ることがしばしば。特技はマルセルと一緒に行方不明になること。此方は帰ってこないので迎えが必要。

『マルセル』〔Marcel〕 ネオピグミー?
備考:まだ更新された環境に対する変異に関した研究が進められる以前、初期試験的に創られた新型の一種で、姿形はネオピグミーと同じ。しかし、その実験は見事に新型を創り出せたが、生まれてきたそれは外見も精神も記憶もただの赤子と変わらず、同時に人間と同じ程度の寿命のリミッターを抱え、実験は失敗だった。
それでも貴重なサンプルとして研究所内で研究を進められてきたが、他のリヴリーとは違って情報を持たないまま生まれてきた所為で自分の力を制御出来ず、場所の指定も無しに広大なネットの海に向って意味不明なワープ。以来、行方不明。
「なんで空から赤ん坊が」と、朝の散歩をしていたメルヒオルの顔面に落ちてきて以来、普通の子供として育てられ、現在も自分の出自は知らない。力の制御の指導は受けているが、現在でも能力のタガは緩く、時々何処かに吹っ飛ぶ。そして何事も無かったかのように帰ってくる。
プラステリンやネオベルミン・トランシロンの効果が効かない。

『ロロ』[Rr] ア、ムー…バ?
備考:人間でもリヴリーでも生き物でも命ですらない何か。ある日突然家の中に居たと思ったら、気が付かない内にあっという間に住み着き、昔からの古い友人のように接してくる。
世界の決まり事で、彼に接された人間は例え誰であっても彼を古い友人の様に感じるという。曰く「自分は良い物ではない」そう言う割には人の周りに神出鬼没に現れることが多く、他人と関わっていない時間の方が少ない程。
その正体は現実世界の何処かで「発生」した存在で、死に行く人間(または死に等しい絶望を味わった人間)の妄想がかさぶたのようにごっそり固まって剥がれ落ちた欠片、現在人格という建前の姿を持っているのは人の「妄想」を写し取って形にした結果で、大量廃棄された本物のアムーバ達の断末魔の叫びで出来ているらしい。
他人の正気と妄想を喰う。食べるという形を取るのもあくまで妄想の形。最早他者の妄想の化身、食事はある程度オートで行われるので、本人の意思に関係無く此の世に妄想がある限りは永遠に存在し続ける。

『ペトラ』〔Petra〕 ワタメ
備考:ボリュームたっぷりもこもこふわふわ、人の膝の上で白い毛玉になる幼女、羊並み。毛繕いが下手で何時も毛玉を飲み込む為、苦しかろう、と思った大人に毎日ブラッシングをしてもらって常に小奇麗。
前の飼い主は心優しい老婦人、懐っこい彼女は実の娘のように可愛がられ、惜しみない愛を受けて育つ。しかし、時間の経過は無情だった、輝く時間は瞬く間に過ぎ去って永遠に帰ってはこない。ある朝、どれだけ名前を呼んでも揺さぶっても老婦人は眠ったまま、目覚めることがなくなってしまった。
主を失ったリヴリーは引き渡し所に連れて行かれる、姉役だったバックボーンに手を引かれるがままに島の家族と逃げながら、自分の頬を伝う涙に構わずに家族の涙を拭う。幼心に、ペトラは「世界が終わってしまったのではないか」、何もかも消えゆく風景を思って、また泣いた。
過ぎた時間が痛みを拭い去り、現在が孤独を癒しはしたが、彼女は今でも時々ふと握った手の感触に安堵する。ああ、よかった。お母さんの愛していた世界は消えてなんてないんだ。と。

【アイテム】

『アルトリート』 〔Astrid〕 カタツムリ
備考:背中に中身が何時もパンパンな殻の形をしたリュックを背負った少年、宝くじの景品として大量生産された内の一匹で、同じ顔をした兄弟(と表現すべき個体)が数多く存在している。
持ち主のリヴリーが餓死したことが切っ掛けでメルヒオルに拾われた。アイテムボックス内に長らく押し込められ、現実で経過している時間よりもずっと現実に触れる機会が少なかった為、自我の芽生えが遅く、少々世間知らず。
自分が物扱いされることに明らかな嫌悪感を見せるが、アイテムショップで売り飛ばされる同族等、そういったものには無関心。どうやら、相手に自我と知性を感じられるか如何かが問題らしい。
リュックの中身は本人も解らない、浅い所ならまだしも、底の方になると3ヶ月ぐらい整理していない。

『アイゼンエルツ』[Steigeisen-Hertz] 永遠の13歳 シャボン玉
備考:世界で一番最初に電脳化手術を受けた少女。彼女の父親は電脳化技術開発部門の部長、完成したばかりで動物実験をしても意味が無い電脳化という前代未聞の技術の実験台に名乗り出る人間は無く、非道な行為もやむなしかと思われていた矢先、彼女は「父の役に立てるなら」と、実験台として名乗りを上げた。
最初は自分の娘に危険な真似をさせる訳には行かない、そう折れなかった父親だが、「なら同じ危険を他の誰かに与える訳には行かない」という彼女の願とした態度に最後は折れ、手術を決行、結果は…………失敗。娘の精神は無限のネットの海に素子レベルまで分解され、バラ撒かれてしまい、再構築は不可能。娘を殺してしまった父は絶望の中此の世の闇に掻き消える。
しかし、どっこい彼女は生きていた。なんと彼女は最早無限に引き伸ばされ自我とも呼べなくなった自我の中、「人間に戻って今の自分の姿を父に見せる」という執念から、独力で肉体の再構築に成功する。が、欠けた部分は多く、それを既存の「物」補う内に彼女は自分の名前すら忘れ、人間ではなくなっていた。
そんな絶望的な状況でありながら、現在でも彼女は人間に戻る道を諦めていない。元気に走る姿を見せなければならない。科学者であった父が電脳化技術を研究していたのは、産まれ付き小児マヒで首しか動かせなかった自分に、自由に動く体を与えるためだったのだから。

『涙』(なみだ)[Tears] ヤミグルミ11
備考:常に元気元気! で、面倒見が良く嬉しいと尻尾を振るふわふわ猫……犬っぽい。自覚は無いがかなりのお高級人形、枕にもなる作りで、お腹にポプリや香り玉を入れる所があり、体からいい匂いがする。
並ぶまだ人形のままの彼女を見て、お小遣いが全部無くなってしまうことを悩みながら、幸せそうに笑って、買ってくれたのは可愛いリヴリー、優しい飼い主、二人は綺麗に飾られた島の一番立派な椅子の上に彼女を乗せて、帰って来なかった。
返事は出来なかったけど、二人と「帰って来たら一緒に遊ぼうね」と約束をしたのだから、勝手に居なくなってしまってはいけない。誰も居なくなった綺麗に飾られた島で、一人、待った。待ち続けた。そして人間の姿を手に入れた、その場から走って逃げる為に、目の前に立った冷たい石にが刻む名を見ない為に。
別売りの専用カイロをレンジでチンしてお腹に入れると13時間はポッカポカ、しかし高い。

『テレサ』[Theresa] 懐くムラサキシジミ
備考:偶発的に作られた一匹で、通常はアイテムが宝石を作ることはないが、彼女はリヴリーが体内で作る物よりもずっと純度の高い宝石を生む。そんな体質だった。
血や涙なら搾り取ればいい、けれど、中でも一番良い宝石を作れたのは幸福の歌声。人間は彼女のことを手に入れたがり、ある金持ちが彼女の多額の研究資金と引き換えに彼女を手に入れたが……「あんたのためになんて歌えない。ダイッキライなの」と、籠を破って蝶は逃げてしまった。
その後も彼女を手に入れたがった人間は多かったが、パターンは決まっている。籠を用意すると彼女は住んでくれる。しかし、人か争い会う中、欲に負けて鍵をかけてしまうと彼女はどんな鍵も自力で開錠して、空へ消えてしまう。
俗世間から彼女が消えた後も、人間達は何故彼女が消えたのかを唸って考え、結果、自分達が醜く争った悪かったのだと考えた。それは間違い、人間同士のことに彼女は興味が無かった。彼女が一番欲しかったのは自由に暮らせる家。鍵の無い籠の中を自由に出入りして彼女はのびのび暮らす。

『ザイン』[Zayin] 菜の花?
備考:前景アイテム「菜の花の植え込み」の……種。島に配置すればちゃんと島に菜の花が生えてくれるが、それは彼女が作ったハリボテの看板で、本人が咲いてくれる訳では無い。
電脳世界で親である花に産み出された後、彼女もまた花畑を彩る一輪の花になる筈だったが、一度根付いてしまえば二度と動けなくなってしまうのではないかという理由から発芽を拒否、長い間観光客の巾着切りをしながら現実世界を行脚して暮らしていた。
大雨にやられて危うく腐りかけた時に助けてもらった縁であまりに居心地が良いので自宅、という物として認識するが、今でも旅を好む為、時々いなくなる。今の旅の理由は根付く事への恐れよりも、何も知らない子供だからこそ、多くの経験を積んで仲間と高めあえる関係になりたいというもの。
本人も気が付いては居ないが、根付くことをずっと怖れていたのは、平穏による退屈を嫌っていたことよりも、退屈によって動く事も忘れた自分が何かを傷つけてしまうのではないかという、自分の未熟さへの恐れ。

『ツァハリーアス』[Zacharias] 黒い巻貝
備考:不運なヤドカリ、背負ってる物が何時も違う。頭が通ればどんなグニャグニャの空間にも侵入出来るが、よくカラを無くしてオロオロしている。どうしてもカラになりそうな物が無いと、今度はメソメソ泣きだす。
店員が客に商品を手渡す際にうっかり手を滑らせ、カラが割れて丸裸にされてしまう。「黒い巻貝」という商品名だけあって、巻貝が無ければ商品にはならない、優しかった店員さんにその場は助けてもらったものの、あまり迷惑は掛けられないと自らしっくりくる貝を探しに電脳へ旅立つ。
行く先々で意味不明な理由で酷い目にあったり、何度探してもしっくりくるカラは無く、くじけそうになりはしたが、怖い人に追われている酷く弱った蜘蛛を発見、カラの中に入れて匿う。此処で初めて自分一人用のカラではなかった(牛乳パック)ことで何かの役に立てた為、人の役に立つなら貝じゃなくてもいいかなぁ、と思い始める。
今でも貝探しは止めていないが、最近では弱点の胴体を隠すことより、直ぐ泣いてしまう顔を隠す方が重要になってきているらしい。

『グロリオーサ・ロスチャイルディアナ』[Gloriosa rothschildiana] クモリンク
備考:電子の毒姫。とある実験によって他人の体にあるバグを吸い取り成長するウイルスを寄生させられ、ほぼウイルスの塊に人格がへばりついているだけの存在に成り果てていた。
彼女を人は謂れの無い理由で災厄を振りまく怪物として追いたて、時に自分の持つ悪を肩代わりさせる為に近づいてきたりした。確かに毒を吸い取ることも吐き付ける事も出来る、でもやるかやらないかは別。暗い道を怯えながら進む内に人の姿すら忘れ果て、心が朽ち果てかけた時、牛乳パックを背負ったヤドカリに助けられる。「一緒に居ようよ」と言ってくれた。でも、バグの毒姫では絶対に彼を毒に浸すと、立ち去った。
一匹で壁に張り付いて泣いていると、悪名高い宗教家が現れて「君は厄神なのだから、厄を流さなければ」と、重苦しかった体の毒を吸い取り、元の姿に戻してくれた。
その後、蜘蛛は体に寄生したまま悪い物を食べて生きているが、どうせ変えようが無いのなら定期的に厄を流してもらいながら愛する人達の厄を食べて厄を祓う、厄神として生きる決心をする。

『バル』[Bar] 天道虫の星座
備考:究極ラッキーボーイ、何故か非常に幸運(最早豪運)に恵まれており、幸運は留まる所を知らず、「スズメバチ(虫)が襲ってきたかと思ったら何故かその近くに一夜にして完成したミツバチの巣があって自分の巣を襲われたと思い込んだミツバチがスズメバチを退治する」等と、最早無茶苦茶を通しすぎて道理のどの字も出てこない。
勿論、彼自身はただの赤子な為、自身が願ってやっていることというよりは彼が幸せになるように世界その物が働いているといって過言ではなく、正に神に愛されているとしか例えようがない。
その効果は彼の近くに居た人間にも有効。そんな特性があると悪い人間が寄って来そうだが、幸運の効果でそもそも悪い人間に遭遇しない為、特に問題は無い。一族が拾った事に関してはノーコメント。
この「幸運」のメカニズムは未だに解析不可能。しかし、おじさんの超不幸体質には効果が無いらしく、仮に桶一杯の水がバルを抱いたおじさんに襲い掛かったとしたら、奇跡的におじさんだけが濡れる。

『ガエタン』[Gaetan] 結束の花
備考:フェアリーちゃん。文字通りに花の妖精さん。常に体の周りに蝶がパタパタ飛んできて止まっていたり、モテモテ、食べ物的な意味で。彼女の蜜は美味しいらしい。
誰かが誰かを思って蒔いた種の何百粒目かの一粒、本当に思いがちゃんと届くのか過去を思い、また奮い立ち上がりながら流した涙が当たった種、それが最初に彼女に染みた一滴。
最後に当たった涙は亡くした人にもう二度と言えない思いと、悲しみでも打ち消せない気高い思い、真実の奥の真実を知った喜びで流された涙の当たった花の芽。そんなに悲しげな顔をするのなら、いっそ一房くらい摘み取ってくれて構わなかったのに。痛くても我慢するつもりだったのに。他者の涙と共にあった願いが彼女の中に生まれて震える。
涙の雫が染み込む度にただの植物の中に感情が染み込む、何故自分は涙を流す人を前にして涙を拭う事が出来ない、そっと手を伸ばして「なかないで」と慰めたい。渦巻く感情は花が持つには重くなって、実になり、人の形に落ちた。あの日の彼女等はまだ泣いているだろうか、それを確かめ、涙を拭う為に。

【ミニリヴ】

『イェニー』〔Jenni〕 ムラサキモリ
備考:研究開発段階にふとしたことから脱走したムラサキモリ、各地の島を点々と渡り歩いて暮らしており、種族問わず友人が多く一部ではアイドル的扱いをされている。
数年前に産んだユリアーナは試験官で作ったのではなく、生まれ付いて自分の中に備わった子宮から産み落としたもので、その分か如何か解らないが二人は良く似た点を持つ。
腰を落ち着けてからも放浪癖は変わらないので、度々娘を連れて散歩に出かけてはお土産を持ち帰ってくるが、その大体はビール瓶の王冠や、子供用ネックレスの千切れたチェーン等、他人から見たらガラクタにしか見えない物が多い。
自分の宝物だと思った物を全て隠した宝島が何処かにあるらしく、親しい人には本人なりに書いた宝の地図で宝探しをさせたがるが、この地図はイェニーのスペシアルなセンスが爆発した内容なので、未だ嘗て解読出来た者は皆無。

『クリスタ』 〔Christa〕 ピンクモリ
備考:特技がプチ家出で人間の倍はケータイ電話の扱いが上手いピンクモリ、メルヒオルのことを『パパ』と呼んで慕い、サッサと新しい主人を探す事を薦められるも、手伝いをしながら住んでいる。
ヤミショップから彼女を買った人間は余生をのんびりしたい年寄り、リヴリーもそれ用に作られていたので去勢されたかの如く不能、自分が元居た島のあまりの退屈さに本気の家出をしてしまった。
元々は「そういう」目的で作られただけあって、内在的に性技に達者、本人もセックスが大好きで、24時間以内に一発ヤらないとムラムラして発情という名の暴走をしてしまい、男女問わず十数人は食い倒してしまう本能を持つ。
(*・ω・) は彼女が良く使う、を表す顔文字。

『ディーテリヒ』 〔Dieterich〕 キムシクイ
備考:何時か無限の彼方へ旅に出たい少年。ありとあらゆる島を盥回しでマイショップ転売され続け、時に違法譲渡を目撃したり、良い意味でも悪い意味でも同年代の子よりは広い世界を知っていることを自慢に思っている。
旅立ちたい、と度々言うのは物として「売られる」自分に自由が無いことを知っていて、最初は周囲への不満や子供故に無力な自分へのもどかしさなど、やり場のない感情、フラストレーションを無意識の内に夢物語として語ることで発散させてきた。
ブルーシートに寝転がり、39回目の転売の際にメルヒオルと出会い、彼の現実感を伴った自由に惹かれ、ほぼ無理矢理纏わりつき「ドロボーさせる」ことによって、彼の息子の一人になる。
最近では旅立ちを望みはするが、いうほどは焦ってはおらず、旅に出るならとりあえず可愛い女の子とクールなライバル、熱血な相棒が欲しいなぁ、だとか。

『ユリアーナ』〔Juliana〕 ピンクモリ
備考:親譲りの放浪癖のある女の子、メルヒオル宅の看板ムスメ。最初は母親に「面白いものあるよー」と連れて行かれたのが始まりで、それ以来は積極的に大人の後をくっついてまわり、何時の間にか(電脳空間ベースだが)アウトドア知識が妙に付いてしまった。
母親との仲はずっと他所に預けられて育ってきたが、イェニーは自分が危なくなくなるまで育つのを待っていたのだと理解していたので、ひとさじ程のマザコン気味に非常に良好。
知識の内容は兎も角、中身は乙女で心優しく正に天使、公共の公園等に行くとおじいちゃんおばあちゃんにやたらと好かれる。一時間も放置しておけば一山はチョコレートやらなにやら、駄菓子類の貢物を貰って帰ってくる。
恋愛という物に憧れに似た感情を持ち、ただ待つのは性に合わなかった為、自分なりの理想を投影した将来の夢は、白馬に乗って王子様を迎えに行くこと。とはいえ、本質は恋に恋する少女。

『フォルカー』〔Volker〕 ポフ(ブラック)
備考:ビギナーズパークに展示されていたポフ、毎日籠の中から外を歩く人間やリヴリーを眺める内に自分を含む三名は同じ様に籠に閉じ込められた同族とは、決定的な「何か」が違う事を自覚、籠の中で外のリヴリーが雷やハンマーなんかの攻撃魔法を出すまで激しい挑発をして籠の一部を間接的に破壊、妹分と弟分を連れて脱走に成功。その後は暫くの放浪生活の後、メルヒオルに拾われる。
したたかで狡猾だがどこか間の抜けた所がある所為で、放浪生活中に捕まりそうになった事もしばしばあったが、同時に悪運も強かったのでその度なんとかなってきた。生きてりゃなんとかなる主義。
作られた命ではあるが、本能的に父性や母性を求めているらしく、自分に心から好意を寄せる大人に居もしない「両親」の影を重ね、その度に「なさけねーなー」と首を振る。こましゃっくれているが子供は子供。

『テオ』〔Theo〕ポフ(レッド)
備考:フォルカーと共に逃げた脱走ポフの一匹で、周りで管理用の虚数な自我を共有してそれを自分の物だと盲信し現実を見ようとしない同族に対して見切りを付け、脱走を計画した最初の一人。
ショーウインドウに飾られながら愛想良く振舞うのは目立ちたがり屋の彼には向いていたが、トークショーの際に現れた管理リヴリーがさっきまで自分に集まっていた注目をあっという間に奪った事から、自分に与えられていた物はあくまで「ポフの見本」という立場で、自分が人気者な訳では無いのだ、と気が付いたのが自我の始まり。その日を自分の誕生日としているが、誰にも言った事は無い。
三人組の「そういえば聞いた事がある」役。種族上、年齢からは考えられない内在記憶を生まれ持っているが、それはあくまで知識だけで実行に移す上には経験や能力が必要な訳で、言葉にする事は出来ても本人が意味を理解出来なければ意味が無いので、あくまで解る人間にだけの解説役。

『ドルテ』〔Doerthe〕 ポフ(ピンク)
備考:強いテレパシー能力を持った幼女、GLL専用商品なので兄貴分二人とは別の場所で育ったがとある機会に遭遇した後、自分の能力を使って交信をし続けていた。
たかだかポフ一匹逃げただけ、しかしこの三人には当時破格の懸賞金が掛けられていたのは、三人は実験投入された通常のポフから数世代先取りされた新型で、経験をダイレクトに成長へ結び付ける機能を持った、機能も常に最新型へ自動更新される所謂「業務用据え置き型」、門外不出の存在だった訳である。
現在は迷い込んだ怪物の森でモンスターに原形止めない程バラバラにされた、と情報を操作され、死亡者扱いされている。挑発作戦の成功は主に彼女の「もみもみ神拳をくらえー」だとか。

『スカーレット』[scarlet] ムシクイ
備考:不良ムシクイ少女、妹のエカルラートとは生まれが別々で本当の姉妹ではないが、型が同じだったので顔も同じ。人間の「双子」に擬えて、こよなく愛する。
過去、ショップに並べられていた時に何度も飼い主になるべき客と喧嘩になり、研究所に送還それ、性格矯正の為の激しい洗脳と理不尽な暴力を受けたが、決して屈さず、同じく研究所内で出荷を待っていたエカルラートに助けられ、姉妹になる。
脱出後は姉妹で「ある人」を探しながら、世間勉強も兼ねて放浪生活を続け、ある時腹が減って行き倒れになっていたエンジェル(飲食も忘れて1秒間に11回ファ○クに挑戦中)を助け、何故か懐かれて行動を共にし始める。
探していた「ある人」とは、彼女がまだ店頭に立たされて間もない頃、当時自我の弱く城の方からの悲鳴と爆音に震えていた時、現れ「戦わなければ震えは治まらない、あなたは本当は強いのよ」と、教えてくれたちょっと年上のお姉さん。

『エカルラート』[ecarlate] ムシクイ
備考:善良ムシクイ少女、飼い主の手に渡って初めて人格に芽生えるシリーズの生まれだが、人格形成ままなっていない頃に何故かボロボロになった後の姉を見つけ、話をする内に、これは放っておいたら危ない! と自我に目覚めて行動をともにする。
実は生まれた時から「自分は何のために生まれてきたのだろう」という疑問を持ち、自分達のような人間に関係した生き物は全て人間の為に何かを生み出す役をしている(牛:乳 鶏:卵 リヴリー:宝石)のだから、自分が唯一生めるもの、子供を産む為に生きているのではないかと推測する。
後にその推測を拘束された姉にした所、叱られて、自分達は人間の為に生きているのではないと諭され、じゃあ何の為に? 効き返す、姉は「愛する為に」と答えた。その瞬間、姉は彼女の姉になった。
喧嘩っ早い姉を影から支えて道を探しながら人探しをしていただけあり、人を諌めるのが上手く、煽てたり、感情を操作するのが実は得意だったりする。

『ブラー』[Blur] ニトロ
備考:リヴリーとは全然関係無いゲームの河川敷、小屋を作って暮らしていた幼女ホームレス、新手のNPCか何かと思われてバレなかった。
檻の中にいた、暴れる役の奴が数十人、彼女は膝を抱えて呟いてる役。その場所では皆狂っていた、狂ったふりをしていた、演じていなければ殺されてしまう場所。そんな自分達の様子を外の人間は笑う、恐ろしかった。
時々帰ってこない奴はいたが、彼女は突然外に出され、参った顔をした人間に宝石を持たされて「走れ」と言われた、彼女はとりあえずその人間の目にその宝石を刺す。次に悲鳴を上げようとした茶色、血糊で滑ったからもっと鋭利そうなのを金から奪って刺す、嵐のように魔法が降り注ぐ中で皆動かなくしてやる、振り返ると、檻の中の仲間が手を叩いていた。
手が震る、自由を勝ち取った喜びで。「なんだ、わたし強いんじゃないの」逃げる仲間達、悲鳴を聞き、一人笑う。奴隷は目覚めた、皆自分の強さを知ってしまった、もう誰も自由を奪えない、と。

『リリン』[Lilitn] トープス
備考:暗所恐怖症で閉所恐怖症な寂しがり屋な盛り上げ役、爪の無い指先が特徴で、体(人間体の時は口から)から出すガスを浴びると体がふわふわ宙を浮いて、不思議と幸せ~な気分になってくるという。
内在記憶を植え付ける段階で人間の精神データの残骸が混入、一見すると少々落ち着きが無いが比較的良好な個体、何が異常なのかも解らず、通常のトープスに紛れてGLL宝探しイベントの宝として箱に入れられた時、異常は発見された。ある客が空けた宝箱に入っていたものは、血濡れの箱の内側、掻き毟られて蓋裏に突き刺さった爪、奇声を発する指が骨だけになったトープス。
その後のことは彼女自身も覚えていない、ただ恐ろしい記憶、真夜中の誰も居ない工場で機械に挟まれ、感情の無い物に絞め殺される夢を見ながら……我武者羅に走って、走って、気が付いたらモンスターに助けらてもらっていた。
指はその名残。体からガスを出している時は体が発光するので、不安になると気分の盛り上げも兼ねてガスを出し、周囲が無重力状態になる。

『フェリシア』[Felicia] クロモリ
備考:三重苦の少女、原型だと羽も触角も目も無く、ただの黒団子。ショックで白くなってるけどクロモリ。欠伸をすると口だけ見える。わざわざ原型に戻って短い毛を撫でてもらうのが好き。
ヤミ箱屋に売られていた再販版クロモリの一匹だったが、触角が少し歪んで生まれてきたことをなじられ、同族の虐めが次第にエスカレートし集団暴行に変わった結果、最早再起不能まで破壊し尽くされ、その事件によって精神面に異常アリとされて処分対象とされた同族共々処分されかけ、脱走中のアルバロトスが物はついでと拾った。
壊れた器官では超音波の送信も受信も上手く出来ないらしく、力が弱くするとコリを解す程度、強くすると鳥を打ち落とす程度と、殆どコントロールが効いていない。逆に受信では全く気が付けなかったり、自分が痺れたりする。
実は、以外にも無理を通して体を治したいとは思っていない。自分の体には壊れた場所が幾つもあるのをよく理解した上、辛くない訳では無いが自分の現実にしっかり向き合って、あるべきものをあるがままの姿で幸せに生きようと願っていのだとか。

『イニャス』[Inyasu] ブルーポフ
備考:何の手違いか存在を忘れられた少女。聞き役で影が薄いとよく言われていたが、出荷段階、何故か箱に入れられなかったことを不信がり、自分を忘れて居ることを主張するも職員に完全にシカトされてしまう。
何時まで経っても誰も気付かない、しょうがないからモチダルマのきぐるみを着て宝くじの景品に紛れるが、何故か大福に間違えられて食われそうになり、今度は黄色のブリブリを着てバナナピールに扮するが、踏まれて転ばせるだけ。そんな失敗を100回繰り返した所、彼女はようやっと他人に気に止められ、気に止めた白い男に拾われる。
実は、彼女はあまりの影の薄さに人から見えなくなっていた。正確には、道端に転がる石ころと同じ様に、他人に気に止められない存在に。自分から自分の存在を主張する。それこそが、自分の居場所を勝ち取り存在を取り戻す糸口だったのだ。
平穏な生活を手に入れた後は取り立てて影を濃く勤めていないので、時々半透明になっていることがあるがイニャスは元気です。

『バックボーン』[Backbone] クーストース
備考:白黒ハッキリ正義の味方、どんな時も自分の周りに意識を張り巡らせて、揉め事諍いがあると何処からともなくすぐさま参上。ジャッジメント仮面!! とか、やってる。
まだ自我が薄く宝箱から持ち帰られて住人への第一印象、リアはペトラの耳を齧り、フェリックスはリアの頭の球を握り締め、ペトラはフェリックスの足を引っ張っている。考えたのは「可愛いけど、どうしよう」彼女は始まり、三人の姉、婦人の長女になった。
別れの日、真っ先に考えたのは死を悲しむことよりも、三人をどうやって生かすかだった。泣きながら小道を逃げ隠れ、リアが何故逃げなければならないのかを訊ねる。幼すぎて死が理解出来ないのだろうと考え、「ママは深く眠ってしまったのよ」と、生まれて初めて嘘の答えを彼女は答える。
それから数日が経った後、追手が消えてこれからのことを考えていた時、フェリックスが首から下げた首から下げたがまぐちを差し出す。時計屋さんに行こう、新しい目覚し時計ならママもきっと目が覚めるよ! と。泣き抜いて、涙なんてもう二度と出ないと思っていたが、その時彼女の頬を己の未熟を呪う涙が伝った。

『リア』[Rear] (外見年齢+1) キムシクイ
備考:齧るムシクイ、人間体なら別に問題無い、牙がある原型だと刺さりはしないが痛い。
飼い主でもある母が生きていた頃、咲いた花を摘み取ろうとした時、母にそっと止められた。摘み取ってしまった花は長くは生きれない、その代わりに来年も皆で見れる、と、教えてくれた母の言葉は嘘になってしまった。葉の上で眠って二度と動かなかった蜘蛛を見たことがあった。バックボーンに訊く、何故自分達は逃げているのかと。理解したくない、だから彼女は訊ねる。
「眠っているだけ」という言葉で現実を引き離し、もう母が消えてしまった事実を掻き消そうと必死で頭を抱える。なら起こさなければと、彼女は花を摘むことにした。母が悲しい顔をしたのは後にも先にもあの一回、繰り返し続ければ何時かは母が起きてきて、自分を叱ってくれるのではないかと。赤い色の花を摘もうとする、震え、腕は自分の体を抱き締める形に変わった。
花が何故黙って摘まれてくれるのか、母は言っていた、そこに愛があるからなのだと。母は言っていた、自分を愛してくれる隣人を大切にするように、と。思い出す、自分の体の中には母が沢山詰まっていた。母は今もそこにいて、ただ少し話が出来なくなっただけなのだと。泣き腫らした目で泣く体を、母の腕が優しく抱いていた。

『フェリックス』[Felix] (外見年齢+1) グリーンポフ
備考:良質な知識と記憶力を生まれながらに持っている幼児、当然幼いので何の事だか解らないが、時々大好きな物作りでその方向性を爆発させ、島を百年先取りした未来島にしたことがあるらしい。
彼は毎日家の手伝いをして「妹へのプレゼントを買おう」そう考えてずっと貯金を続けていた。冷たく浅い眠りから目覚めた彼は、今日はその妹の誕生日だったことを思い出す、心許無いがまぐちの中に入ったお金ではパーティーは出来ない、ならせめてプレゼントを買おう……何をあげれば妹は喜ぶだろうか、虚ろな目をして蹲る妹は。
一番上の姉に頼んだ、これで目覚し時計を買ってきて欲しい、と。母は目覚し時計なんかじゃ目覚めないことは、残酷な知識が彼にずっと前に教えていた、彼が目覚めさせたかったのは悲しみに暮れる妹と、悲しみに呼ばれた疲弊に包まれた家族。母は天に召されてしまったのだと、確かに形にして示すことで未来へ進みたかった。涙が枯れるほど泣いて、もう涙は出なかった。
買って帰った時、リアは既に顔を上げて元気になっており、また皆で泣き笑った。鳴り出すと爆音と共に辺りが地震でもあったのではないかという程に暴れる目覚し時計、今ではフェリシアが使っている。

『トピア』[topia] バナナピール
備考:黄色のペンキ被っただけでお前本当はクロバナナピールなんじゃないか、という程、超絶クラッシャーなバナナピール。クルクル回ってる足の端から刃物でも生えてきそう。実際に「生えてきちゃうよ」って言ったら絶対に喜ぶであろうと予測される。
一等景品として作られ、飼い主を待って景品交換所で待っていたのだが、彼女の当選番号を持つ人間は何故かずっと現れず、そのまま研究所荷に出戻って心優しい研究員のお姉さんに面倒見てもらう。
ある時、また段ボール箱を粉砕して遊んでいたらお姉さんがやって来て、「折角貴女は優しい子なんだから、何かを育ててみない?」と言われて、適当な所に落ちていた花の種を蒔いて毎日世話を続け、蕾が膨らむ頃……お姉さんは姿を消す。実は彼女は自分が近い内に遠くにやられることを知って、せめてトピアに破壊すること以外を教えて去ろう、そう考え花を育てる事を提案したのだ。
他にも自分を好いてくれる人は沢山研究所に居た、それでもトピアは構わず植木鉢を持って電子の海に飛び込み、咲いた花から収れた種を蒔く。電子の海は世界中に繋がっているのだから、きっとこの種がお姉さんの所に届いて、見せられなかった花を咲かせて見せてくれるだろう。そう信じて。

『フロラン』[Furoran] (外見年齢+半年)シロムシクイ
備考:ツッコミ入門。尻尾が真っ直ぐで触角が大きな「産まれた」ムシクイ、原型時に斑点の様な物があるので、キとシロのハーフなのかもしれない。
両親の記憶はない。自分は確かに体から生まれたはずだったというのに、誰かが抱き締めた記憶がない。捨てられた? 彼女に興味の無い島主達とは別の端にうずくまって、何時もそんなことはかり考えていた。誰も慰めてはくれない。何時も独り。生まれて初めて彼女に関わる存在の登場、気が付いたら花の匂いがする赤子と二人きり、何処だか解らない島に佇んで、あぷあぷ、と言っているその子をあやす。
触れているとなんとなく、その子の中にはその子の物ではない、ごちゃごちゃの感情が渦巻いているのが解った。まるで鏡像かと思った。ごちゃごちゃにこんがらがった感情の中に、ただ一点の自分。一つだけ違うとしたら、あったのは「悲しみ」ではなく、悲しみを掃う為の「願い」小さくてかわいい手で頬を触られて、ひょっとして慰められているのか、抱き締めて飛び出す。
こんな小さな子が願いを叶えようとするなら、誰かが、自分が助けなければ。誰にも寄り添えない孤独と無力を打ち払い、諦めと後悔、偽りの限界を知らせない為に。

『オーバン』[Oban] グリーンポフ
備考:からっぽのポフ。誰かが作った自作品で違法売買品、他のポフのような膨大な内在記憶を持たずに生まれてきた。
彼にとって世界は「超難解迷路をヒント無しでクリアしろ」と言われているようなものだった、何故なら、周りに居た全ての人間は彼の種族から彼が幼くても何もかも解った存在として扱い、甘えさせてもくれなかったから。知識は苦痛、何を言われても解らないのに、学ぶ事は恐怖に近い。
ある日、自分の居た場所に誰かが眠っているのを見て、また目が覚めたら自分に無理難題を押し付けるのかと身構える。瞼が開いた随分小さな子供は、手足をふにふに動かして此方を見てにっこり笑う、生まれて始めてみた自分に対する蔑的ではない笑顔。天使だと思った。その不思議な天使の口からは、終ぞ彼を傷付ける言葉は出てこなく、彼は生まれて初めて安らいだ。数分が経過する頃になると、誰かがやって来てその子を抱き上げ、何処かに連れて行ってしまう。
如何して? 折角幸せになってたのに、どうして連れて行っちゃうの? 生まれて初めて誰かの後を追って、走った、天使が一体誰なのか、天子を連れて行く彼女が誰なのか、疑問に対する答えを求めて島と島の境界を跨ぐ。恐怖は感じなかった。ただ、心の中に新しい風が吹き込むような、そんな爽やかさに満ちていた。

【人間】

『ザイヌルアービディーン』[Zayn Al Abidin] 13歳 人間
備考:先天性免疫不全を患い、無菌室の外では生きられない。産まれた時から余命幾許も無く、一週間耐つことが出来ないと最初は。一週間生きたら二週間、次は一ヶ月、二ヶ月、一年、何度も死にかけながら命を必死で繋ぎ続け生き続けたが、大人は彼の生より死に目を向け、ただ哀れみを向けるばかり。
彼の心は壊れた。病院のデータ保持を任されていたリヴリーを利用し、医師に強制離脱させられるまで電脳の世界に引き篭もり、ただ電脳世界に生きる為だけに生きる。最早彼にとって現実はただの障害でしかなかった。
そんな時、彼の前に蜘蛛が現れ、同伴していたリヴリーを食い殺した後、彼に向き直って襲い掛かる……もっと巨大な蜂が蜘蛛を頭からバリバリ食べていた。なんて酷く無情で情け容赦のない生き物なのだろう、彼は知らずの内に言葉を口にしていた「美しい」と。巨大な雀蜂は彼を咥えると何処かに飛び去り、この日一人の少年が現実世界から姿を消す。
現在は一族の持つ能力によって保護されている為、無菌室の外でも活動可能。(というより、能力で周囲かが勝手に無菌になるようにされてる)

『アレクサンドロス』[Aleksandros] 17歳 人間
備考:一時期世間を賑わせた少女A、連続婦女強姦魔事件の被害者の一人で、母親は事件のショックで気が狂って精神病院、父親は犯人の懲役刑に納得できず犯人を刺し殺し自分も自殺、親戚からは堕胎を強制され、命辛々逃げ出してきた。
電脳空間を当てもなく彷徨っていた所を保護され、錦ヶ浦に自分と寸分違わない死体を投げ込んでもらって以来、世間的には死亡者として扱われているので戸籍は無い。
学生時代、男子からは「あいつ可愛いけどなんか違うんだよな」と、ズレたセンスをいかんなく発揮、最も欲しい物は米。今更社会に未練は無く、余生はこのまま老婆の如く静かに暮らす気。
名前は完全な偽名で、気分を一新するなら先ず名前から、という戦国武将の発想でネットサーフィン(別名:ウィキペディアで遊ぶ)をしていた所、面白そうな単語があったので自分の名前にしたのだとか。
・1月12日
第一子:ヴィーナス
第二子:ヴィクトール を出産

『ヴィンセント』[Vincent] 21歳 人間
備考:不幸な人間二号。知り合いのツテからビールバーのボーイを始めたばかりの頃、酔客に絡まれて大弱りしていた所、おじさんにサクッと助けてもらい、出身校が同じだったことから「先輩」と呼び慕う。
その一途な思いのなせる業なのか、おじさん消失(正確には居なくても居ることになっている)後も改変された現実に世界で唯一一人だけ違和感を覚え、どうにか足跡を追おうと孤立奮闘の後、自宅を突き止めることに成功するが、瞬間知りすぎたが為に拉致されて現在に至る。
おじさんとは違って外出は普通に認められているので、電脳世界を介して外へ出て行き、今も仕事はしている。ボーイ→月・水・日の雇われマスター、仕事モードの時は明らかに性格が違うと評判。テンション上がると口調が変になる。
周りから呼ばれる名前は当然本名ではなく、好きなゲームの割と好きなキャラクターが自分とイニシャルが同じだったことから、以来使い出したハンドルネーム。イニシャルV.V
・童貞

『シャックル』[Shackles] 年齢不詳 人間?
備考:御主人様に絶対の忠誠を従う元人間、現在は、人間の姿をしたなにか。姿形こそは諸相の英国人男性だが、その本質は精神肉体共に人間からは掛け離れており、これらは全て御主人様の命令を完璧に遂行すべく様々な改造手術を受け、じわじわ人間を止めた結果である。
一定まで人間を止めて以来「お役に立つ上でとても便利な程度の能力」という、詳細不明の能力を所持。普段は人間として生き現職は神父、昔は祖国で父親の後を継ぎ給仕長を勤めていたらしいが、どのような経緯で現在に至るかは全くの不明。
電脳に関しても完璧だが、実地的な知識は元人間な所為で以外と疎い。彼そっくりの人間が雪山で遭難、半年後にクレパスの中で腹を裂かれた女性の死体と共に血塗れで廃人になった状態で救出された……という、80年前に起きた事件があったが、この事件は近年全ての人間の内から消し去られ、完全に「なかったこと」にされている。
彼の中には「眠る」という機能が無いが、人間だった頃の習慣が残っているらしく、時折激しい睡魔のようなものに襲われることがあるらしい。

【モンスター】

『ディープスロート』[Deep Throat] クイン
備考:縦社会に必要の無い感情を持って産まれた女王蜂、成長して卵が産めるようになったら死ぬまでに巣に監禁される立場を憂い、働き蜂は女王蜂に逆らえない習性を利用して羽化・即位と同時に全員に自害を命じ、誰もいなくなった巣を一人後にする。
思慮に耽るのも欲望に走るのも自由。腹が減ったらその辺にいる生き物を片っ端から食べて、彼女はもう手の付けようが無くどんどん大きく育ってゆく。
ある時、また腹が減ってその辺で何かしていた蜘蛛を食い殺すと、足元に人間がいることに気が付いた。虫の耳では何を言っているか解らない。虫の口では話も出来ない。一つ分かった事、美しい、死の宿命に彩られた壊れた瞳、一目で気に入って隔離された島の一つに閉じ込める。しかし、彼女は人間の精神データを長く管理することは出来ない、人間は見る間に弱っていった。
迷わない、彼を抱え、全身をレーダーにしてより強い能力を持った何かを探す、彼を助けてくれる誰かを。強靭だった体は彼女自身の「願い」に反応して、腕が、脚が、口が、耳が、見る間に弱い人間の子供の体に変わる。これだ、と思った薔薇の花を掴んだ時、彼女は始めて人間の声で、他者に対する感情を叫んだ「助けて!」と。

『シンデレラ』[Cinderella] ヤゴ
備考:ふとした弾みに現実世界に飛び出てしまったオニヤンマのヤゴ、水の中では相当ブイブイいわせていたらしく同族からは恐れられ、自分好みの水を見つけると持ち帰り、何処かにあるらしい「水ミュージアム」に飾っているらしい。
価値を感じる水は別に真水だけはなく、朝一で顔を洗おうとした時に洗面器で静かになった水、オオミズアオが飲み残した朝露、初孫が生まれた時の喜びの涙、等、本人が価値があると思えばなんでも。
非常に挑発的な性格だが、水中内ではほぼ無敵な為、無駄な闘争に対しての感情は冷ややかで、喰うためでもなく必死になって戦うハンターとかそういった手合いは全てゴミだと思っている。
清水が無ければ生きられない体で、彼女は育った自分の河を埋め立てられてしまい、仕方が無く清水の残り香だけ持って電脳世界を彷徨っていた時に拾われた。ずっとヤゴなのは自分の意思で羽化を拒んでいるかららしい。

『ミュール』[Mule] ミツバチ?
備考:美味しそうなみつのうが特徴。赤子の頃にアルバトロスに拾われた所為で縦社会を知らないまま育ち、蜂型モンスターとは思えない天真爛漫さ、無邪気さを持つ幼女。
原型状態になるとミツバチにしては明らかに大きすぎる。LLサイズ、その実体は極秘とされてきたミツバチの女王、大粛清を喰らった巣の生き残りである女王が再起を図って逃がした、まだ卵から孵ってもいない幼い姫蜂。
しかし、完全に追手を撒くことは出来ず、一人、また一人と自分の子でもある部下を失い、ついにたった一人になって瀕死の体を引き摺る時、女王が最後に願ったのは王国の再興ではなく、胸に抱いた卵が自分と同じ苦しみを味わうことが無いように。死の間際になって愛情に気が付いた愚かな母を忘れているように。ただ、それだけ願って。
リヴリーを捕食してくて平気な種なので、自分がモンスターであることに自覚が無く、背中に生えた羽を絵本で手に入れた知識から「妖精さーん」と。割と本気で自分を塩煎餅の妖精だと思っている。

『サラカエル』[Sarakiel] ミツバチ
備考:とあるミツバチ一族のナンバー2になる予定だった(蜂は大概が産まれた時から立場が決まっている)貴族、巣の中では部下に命令をしたり女王蜂の御機嫌をとったり、補佐役。巣から出た事が無かった。
ある時、モンスターの大粛清が起こることを知った女王蜂は軍備を強化、彼もまた兵を率いて前線に立つことを余儀なくされるが、彼は絶対に勝てない事を予測、戦死を恐れて脱走。後に故郷は炎に消え、その時初めて仲間を見殺しにした罪悪感を、自分が行くべき場所なんてないのだと後悔した。
当ても無く彷徨う毎日、餓えも乾きも森の中にあった物で足りたが、あまりにも彼は疲れ、ゆっくり土の上に倒れ伏し……カマキリの子供の気紛れに付き合わされる。最初こそ食欲を第一にした考えに嫌悪を覚えたが、それは自分とは違う捕食者としての思考で、根底にある物はただの子供と変わらないのだと知り、考えを改める。
再会した巣の仲間であり、将来補佐すべき女王蜂のミュールに関しては、本人がもし自力で女王蜂であることに気が付かないのなら、戦いに巻き込むのなら、現状が幸せなのでずっとそのままで良いと考えている。

『ジャックポット』[jackpot] カマキリ
備考:かわいい見た目に寄らず、名実共に肉食幼児、好きな物はブラックドックのチーズからあげ。食欲に忠実で幼さから容赦が無いが、捕食対象を友達にしてはいけない等の無駄な自分ルールは無く、またリヴリーや人間の友達が居ても全く良心を痛めずに狩った物を食べる。
産まれた時からずっと一人で放浪を続け、誰も頼れる相手はいなかったが両手に武器だけは揃っていたので、生きる術だけは必要以上に学びとり、何故か友達が出来ない事を心残りにしつつ自由に暮らしていた。
道に落ちていたサラカエル(瀕死)を助けた折、料理という物の存在を知って大喜びで沢山の食材(肉)を持ち込んだり、料理の上手い人を嫁にするといい、という何処から聞いたか解らない知識から、彼を嫁にすると宣言する。
今は大人から子供まで色々な友達が出来たことに大喜びし、何時かは皆の為に美味しいご飯が作れる大人になりたいらしいが、思い浮かべた料理はすべて肉料理でだったとか。

【島】

『メメントモリ』[Memento mori] 金魚鉢の島(部屋)
備考:金魚を超越した金魚、島を超越した島、部屋を超越した部屋。「無知であることは不幸」の言葉の信憑性を疑いたくなる存在。
ある所に人間がごく普通にリヴリーユーザーとなり、紹介をした先輩からアイテムカードを譲り受け、少し欲張りかと思いながら三匹のリヴリーを飼い、PCを起動、マイルームを開いた時、突如としてパソコンのモニターに足がニョキ☆ニョキと生え、伸びるコードを引き千切ると「JAOOOOOOOOOOOOO」という咆哮を上げて窓の外へと飛び去っていった……後に残ったのは、家を失った三匹のリヴリーと後にユーザー登録ごとPCを失った人間一人。
彼女は島や部屋という体系を取った他でもない「登録された情報」と「空間」その物、同時に電子の海に発生した彼女は「人格を吹き込まれなければ意思はない」「PCはモニターが本体ではない」等の常識を理解できなかった為、常識の範疇を超越してしまった。様はクマバチ。
現在では人間の姿を保っているが、これも「PCは人間になれない」という現実を超越した結果の賜物、理解していないというよりは最近は完全に「無視している」状態に近い。

『ブリュノ』[Buryuno] ニューギニュアモデル
備考:自分の事をちょっと島になれる人間だと完全に思い込んでいる島、エリックは血(草?)の繋がった実の弟であり、よくベタベタしている。
彼は本来なら意思や感情を持つ事はなく、ただのリヴリーの巣として機能するだけの存在であったが、存在が構築された瞬間自分の存在する空間が「JAOOOOOOOOOOOOO」という咆哮を上げて意思を持ったことによって、同時に人格を「学習」し始めた。
何も突然喋りだす訳では無く、物に対する反応を「怒り」だと思ったら手足を暴れさせたり、悲しみだと思えば涙を流してみたり、最初は人間の真似をしているだけだったが、「共感」によって徐々に人間らしい感情を芽生えさせる。
学習を続けた結果、彼は自分がエリックに持つ感情が「家族愛」であると知り、自分の性別が男であることと、人間でいうところの一歳児程度しか自分の人格を使用出来ていないことを知り、莫大な情報を正しく使用するに相応しい人格に自分が成長する日まで、自分自身の情報(記憶)全てを封印してただの子供になった。

『エリック』[Eric] ギニュアモデル?
備考:ギニュアモデルに限り無く近い何かであり、ブリュノの弟に限り無く近い何かでもある、また別の何か。まだ赤子な為、島になったりならなかったりが曖昧なのか原型を見た者は誰も居らず、種族は情報のみでほぼ人間の姿の状態が本体。
その実体は「人格の学習」段階にあったブリュノの持つ、新たなることの開拓により古い自分が更新される「恐怖」が擬人化された存在で、恐怖を克服させる存在として「弟」という体系を取って此の世に生れ落ちた。
誕生時から最初期のブリュノの持つ情報をベースに、人間と同じ様に成長と学習をしており、おそらくは寿命のリミッターもあると思われるので、事実上「電脳世界で何故か島と誤認識される人間」に近い。ある意味、新人類。
情報を超越した情報。影響と発生を見る限り、メメントモリ→ブリュノ→エリックの順の親子ともいえる。
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白米と卵の出会い

素晴らしいブログを読ませていただきありがとうございます。
これからも更新頑張ってください。
by 白米と卵の出会い (2010-02-18 19:24) 

ぴろゆき


こんなに稼げるならもっと早く教えてくれよ!
まだ始めて1週間で2人しかヤってないけど、もう10万達成しちまったぜ!
これじゃ3年間、安月給の工場で働いてた俺がバカみたいじゃねーか(笑)
http://onafriends.net/syo/l6d3sby/
by ぴろゆき (2010-02-25 00:00) 

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